気象病やメンタルヘルスには適度な運動が有効です②
運動には、メンタルヘルスにも良い効果があります。
脳神経内科は精神科とは異なるのですが、時々、不安やストレスの強い方や不眠の方が来院されます(症状が強い方は心療内科や精神科を受診していただくようお願いいたします)。
そのような方にも運動がお勧めです。
軽い運動でも、心を安定化させる働きを持つセロトニンやエンドルフィンといった神経伝達物質が脳内で分泌されます。
それらの物質には、不安の軽減、頭の回転を良くする、気分を高揚させる、幸福感が得られるといった作用があります。
ある米国での研究では、米国内に住む18歳以上の成人約120万人を対象にした大規模な調査の結果、運動を習慣として続けている人は、運動をしていない人に比べ、1ヵ月間に気分が優れないと感じる日数が、平均して約1.5日(43%)少なかったとのことです。
また、運動の効果は、うつ病と診断されたことのある人でとくに大きかったとのことでした。
たった25分のウォーキングで、気分が良くなり、ストレスが減るといいます。
運動することにより、心地よい疲労感を感じると、寝つきやすくなり、睡眠の質も良くなる場合があります。
私も、実感として、運動の効果を感じています。
もやもやしていたことも、しばらく走っていると、なぜ悩んでいたのだろう、とすっきりすることがあります。
天気の良い時に外で運動すると、季節を感じられるのも良い点だと思います。
気分が優れない方や不眠の方も、ぜひ、無理のない範囲で運動することをお勧めいたします。