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認知症について

[2021.03.11]

今回も前回に引き続き、病気の解説です。
当ホームページ内の「認知症の診断・治療」の内容を更新しましたので、詳しくはそちらをご参照いただけたらと思いますが、こちらでも簡単にご説明します。

認知症とは、色々な原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったりしたためにさまざまな障害が起こり、生活する上で支障が出ている状態のことです。
つまり、問題なく生活できている方は、認知症をあまり心配しなくて良いということです。

我が国の2020年の65歳以上の高齢者の約6人に1人が認知症であり、そのご家族も含めるとかなり多くの方が認知症の方と関わっていることになります。
通常、認知症が直接死亡原因となることはなく、ゆっくりと進行することが多いです。「認知症になったらどうしよう」と過剰に恐れる必要はありません。

認知症には、主にアルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症などがあり、本人とご家族への詳しい問診と診察の上、画像診断や血液検査を行って他の病気を除外した上で診断します。



現在、認知症の進行を完全に止める方法や、根本的な治療方法はみつかっておらず、治療の目的は、認知症の進行を緩やかにし、生活の質を高めることです。
認知症の治療には大きく分けて薬物治療と非薬物療法があります。

薬物治療は、大きく分けて、中核症状の進行を抑えるものと、行動・心理症状を軽減するためのものとに分けられます。
進行を抑えるといっても、良くなっていくことはないので、薬の効果は、あまり実感できないかもしれませんが、薬を使用している方が比較的良い状態が長く続く可能性もあります。
行動・心理症状の軽減のための薬は、抗不安薬、睡眠薬、抑肝散などの漢方薬を色々試しますが、人によりうまく作用すれば、症状が落ち着くことがあります。

非薬物療法には、運動療法、認知リハビリテーション、回想法、音楽療法などがあり、認知症を治せる療法ではありませんが、生活の質を高めるという点では、薬物療法より有効かもしれません。



認知症を予防するにはどうしたらよいか、ということはよくテレビなどでも扱われており、関心が高い点だと思います。
有酸素運動などの定期的な運動、社会的活動への参加や家族・友人とのコミュニケーション、魚、野菜・果物、大豆製品、オリーブオイルなどの地中海食、適度な量の赤ワインやコーヒー・緑茶、禁煙、中年期以降の高血圧・糖尿病・高脂血症・肥満の改善などが、ある程度効果があると言われています。

私の専門分野の一つであり、直接ご相談したい方はぜひご来院下さい。

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