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新型コロナウイルスワクチン3回目接種について③

[2021.12.27]

多くの方が新型コロナウイルスワクチンを接種され、何らかの副反応があった方が多かったことと思います。

ファイザーもモデルナも同様の副反応がありますが、モデルナの方がやや頻度が高いようです。
アメリカで、モデルナ社製ワクチンを接種した約198万人とファイザー社製ワクチンを接種した約166万人の被接種者における副反応の報告があります。
副反応の頻度がやや高い2回目接種においては、接種部位の痛みはモデルナで約78%、ファイザーで約67%、倦怠感、頭痛、筋肉痛がモデルナで約50%、ファイザーで約40%、悪寒や発熱がモデルナで約40%、ファイザーで約20%と報告されています。
これとは別に、モデルナワクチン接種後、1週間後くらいに、いわゆるモデルナアームと言われる接種部位の皮膚反応が1回目接種後は0.8%の頻度で、2回目接種後は0.2%の頻度で発生したとのことです。

国内では、岡山大学で、教職員及び学生の合計7,205名を対象としたモデルナ社製コロナワクチンの副反応調査が行われ、結果は以下のように報告されています。
2回目接種後の局所反応としては、接種部位の痛みが90.0%、腫脹が55.3%にみられ、接種後7日目前後での局所の腫脹や発赤は、1回目接種後に2~3%前後に出現しましたが、2回目接種後にはほとんど認められませんでした。
全身反応としては、2回目接種では、1回目と比較して出現頻度が高く、筋肉痛が64.4%、倦怠感が84.2%、頭痛が74.7%、37.5度以上の発熱は88.0%、若い世代で発熱の出現頻度が高い傾向で、40代以下では90%前後に発熱が出現しましたが、一方60代以上でも75.4%に発熱が出現しました。女性では男性に比べて副反応が若干高い傾向(例:発熱で約2%差)でした。
モデルナの副反応出現割合は、ファイザーよりも高く、若い世代(20歳代以下)で比較しても、同様の傾向にありました。

これらの報告を比較すると、アメリカと比べて、全体に日本の方が副反応の割合は多いかもしれません。

一方、頻度としてはごく稀ですが、新型コロナワクチンの接種後に、心筋炎や心膜炎を疑う事例も報告されています。
1回目よりも2回目の接種後に多く、どちらのワクチンでもほぼ全ての年代で報告がありますが、特に高齢者よりも10代及び20代の男性の頻度が高い傾向にあります。
また、若年男性では、モデルナ接種後の心筋炎が疑われる頻度は、ファイザーに比べて約3-4倍と明らかに高くなっています。
実際に疑われる数自体はそれほど多くはありませんが(100万人あたり40-100人程度)、若年男性は、できるだけファイザーを選択した方がよいかもしれません。

さいたま市のホームページでは、現時点では、当面はファイザー社製を使用との記載がありますが、今後どうなるか分かりません。
詳細は省略しますが、現在のところ、色々な事情により、当院ではファイザーのみとなる可能性が高いです。
規模の大きな医療機関では、ファイザーとモデルナを選択できるようになるかもしれません。

ワクチン接種を進めるにあたっては、供給量とその時期、接種可能な量や場所、流行状況など色々な要因が関係します。
また、仕事内容や家庭環境、ワクチン接種に対する考え方など、個別の事情も関係すると思いますので、それぞれの事情に応じて、いずれのワクチンをいつ接種するか考えていただくとよいと思います。

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