新型コロナウイルスワクチン3回目接種について②
現在、海外ではオミクロン株などの新型コロナウイルスが再度猛威を振るっており、日本では今のところ少ない感染者数を保っていますが、今後徐々に増加する恐れがあります。
厚生労働省は12月16日に18歳以上を対象にモデルナのワクチンを3回目の接種に使用することを承認しました。
最近、特にモデルナを勧めているような印象を受ける報道がありますが、ファイザーを希望する人が多いとワクチンが足りなくなるためだと思われます。
これまでの日本の1、2回目の接種回数は、ファイザーとモデルナが「5:1」くらいの比率になっていますが、これに対して、3回目は配分される供給量が「6:4」くらいになる見通しとのことです。
モデルナのワクチンは比較的副反応が多く、ファイザーを希望する人が圧倒的に多いことは予想されるのですが、3回目接種を進める場合、早めに接種したければ、ファイザー希望でもモデルナを選択した方がよいという状況になると思われます。
2回目までと3回目で異なるワクチンを接種する交互接種については、どちらも同じ種類より交互接種の方が抗体の増え方が大きいのですが、特に「ファイザー・ファイザー・モデルナ」の方が顕著のようです。
アメリカで18歳以上の400人余りを対象に行われた研究では、3回とも同じワクチンを打った場合、3回目を接種する前と比べた抗体量は、ファイザー3回では20.0倍、モデルナ3回では10.2倍に上昇し、一方、交互接種では、「ファイザー・ファイザー・モデルナ」では31.7倍、「モデルナ・モデルナ・ファイザー」は11.5倍だったとのことです。
ただ、抗体量が多い方が、より効果があるように思われますが、実際の感染や重症化の予防効果が数値をそのまま反映するわけではなく、いずれにしても必要な効果はあるとも考えられます。
なお、日本では、モデルナで3回目の接種をする場合、副反応を減らすため、2回目までの半分の量で接種することになっていますが、3回目に半分の量のモデルナで交互接種を行った場合の有効性に関するデータについては、厚生労働省は現時点で示していないようです。
(次回、ワクチンの副反応などについてご説明します)