風邪が流行している時の対応について
※ 状況が変化しており誤解を避けるためタイトルを変更しました(2024/5)
以下は2024年1月時点の文章ですのでご理解いただければ幸いです。
年末から風邪(上気道症状を起こす主にウイルスによる感染症)が大流行しています。
臨時で夕方に発熱外来の時間を増やしていますが、その時間も予約がすぐに一杯になり、当日の受診が難しい状況となっています。
インフルエンザも流行していますが、最近、新型コロナウイルスがまた増加してきており、アデノウイルス、溶連菌など小児で流行している病原体に大人が感染することもあります。
調剤薬局では、咳止めなど風邪症状を緩和する薬が不足しており、特に咳止めはもう少しでなくなってしまう状況となっています。
その場合、漢方薬などになると思いますが、それもいつまで在庫がもつか分かりません。
過去のブログにも書きましたが、色々な風邪のウイルスに対する特効薬は存在しません。
ウイルスに直接効く薬は、インフルエンザや新型コロナウイルスの薬くらいですが、インフルエンザでも改善するのが少し早くなる程度で、新型コロナウイルスの薬は高価で重症化する恐れが高い人などが対象となるため、当院ではほとんど処方しておらず薬局にも在庫がありません。
抗生剤は、ウイルスには効かず細菌感染にしか効果がないので、溶連菌の可能性がある咽頭炎や扁桃炎、高齢者で細菌感染が疑われる方などにしか原則処方しておりません。
咳止めや解熱鎮痛薬などの風邪の薬は症状をやわらげる程度の効果しかなく、市販薬でも大きな違いはありません。
インフルエンザやコロナウイルスの検査キットは不足気味ですが、今のところメーカーによってはまだ入荷があります。
ただ、検査キットも不足傾向ですので、今後も継続して検査できるかどうか分かりません。
以上の状況を踏まえると、風邪症状がある場合、普段は健康な方はまずは自宅で安静にして経過をみることが望ましいと思われます。
38℃以上の発熱が2日以上続くような場合は、病院を受診するか薬局で検査キットを購入して検査してもよいと思いますが、発熱がない場合はむしろ病院に来るとインフルエンザやコロナウイルスに感染する可能性もあり自宅にいた方がよいとも思われます。
風邪の時に最も重要なことは、自分の免疫力で病原体を排除できるようひたすら身体を休めるようにして夜も普段より長く寝ることです。
仕事などが忙しくて休めないという方もいると思いますが、無理をしていると症状が長引き、元々は風邪でも悪化して肺炎になることがあります。
皆様のご理解、ご協力を何卒よろしくお願いいたします。