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花粉症の薬はどれがよいのでしょうか?

[2023.03.08]

花粉症の時期となりました。今まで花粉症でなかった方も花粉症を発症してしまうこともあり、鼻水やくしゃみ、目のかゆみでお困りの方が多いと思います。

花粉症の薬は、眠気や強さの強弱、投与方法など色々な違いがあり、種類も多いので、医師でも専門外ではやや難しく感じます。
インターネットで調べても、色々な情報があるので、よく分からないという方も多いでしょう。

私自身が花粉症であり今まで色々な薬を試してきた経験も踏まえて、当院で処方している薬などについてご説明したいと思います。

当院でよく処方する内服薬で最も多いのは、抗ヒスタミン薬では、ビラノア(一般名:ビラスチン)で、その他はアレロック(オロパタジン)、ザイザル(レボセチリジン)、アレジオン(エピナスチン)、デザレックス(デスロラタジン)、アレグラ(フェキソフェナジン)などです。
ロイコトリエン受容体拮抗薬では、シングレア(モンテルカスト)が多いです。

ビラノアは眠気が少ない薬の中では、効果が強めの薬です。
抗ヒスタミン薬は眠気があるものも多く、自動車の運転には注意が必要ですが、ビラノアやデザレックス、アレグラは、添付文書上に自動車の運転について記載のない抗ヒスタミン薬です。それらの薬は、仕事で眠くなるのが困るという方にもよく使用されます。
一方、ビラノアは食後だと効果が弱くなり空腹時服用が基本のため、空腹時だと忘れやすくて眠気がない薬がよいという方には、デザレックスやアレグラを処方します。

ビラノアでは効果が不十分で、眠気がある程度あってもよいという方には、アレロックを処方します。新しい薬では、同等の効果があるルパフィン(ルパタジン)という薬もありますが、現在のところ後発品はありません。
眠気の有無は人によって違うので、試してみて大丈夫な方は、それらの薬でよいと思います。

1日2回の薬を希望する場合には、アレロックやタリオン(ベポタスチン)、症状が軽度ならアレグラを処方します。

鼻づまりが強い方や抗ヒスタミン薬だけでは不十分な方には、シングレア、オノン(プランルカスト)などのロイコトリエン受容体拮抗薬を併用しますが、単独で使用する場合もあります。

アレグラの成分に、交感神経を刺激するプソイドエフェドリンが加えられたディレグラという薬もありますが、鼻づまりの症状が中等症以上の場合に使用するよう適応が限定されており、鼻づまりの症状が強い期間のみの最小限の期限の使用にとどめるといった制限があるため、あまり処方することはありません。

また、セレスタミン(第一世代の抗ヒスタミン薬とステロイドの配合薬)が処方されている場合がありますが、セレスタミンにはステロイドが含まれているため注意が必要です。ステロイドは様々な疾患の治療で使用されている重要な薬ですが、長期間服用をすることで様々な副作用が生じる可能性があるため、花粉症に対しては当院では処方しておりません。

ステロイドの点鼻薬は鼻腔の局所に作用し、全身的な副作用が生じる可能性は低く、有効性も高いので併用することが多いです。ナゾネックス、アラミストなどがありますが、症状が強い時に使用しても即効性はなく、継続して使用することで効果が現れてくるため花粉症の時期は継続して使用する必要があります。
血管収縮剤入りの市販の点鼻薬は、一時的には効果があるのですが、時間が経つとまた血管が拡張して鼻がつまり、長期にわたって連用すると薬剤性の鼻炎を起こしてしまうことがるので、あまり使用しない方がよく、使用するとしても短期間のみにした方がよいと思います。

目のかゆみについては、抗アレルギー薬の点眼薬の処方はできますが、内科では目の状態を直接確認できず他の病気の可能性もあるため、改善しなければ眼科を受診していただくようお願いしています。

少しでもご理解いただけたら幸いです。
色々な薬の名前が出てきて結局よく分からないという方もおられると思いますが、来院していただけたら直接ご相談させていただきます。
実際には、症状や程度は人により違うので、薬を色々試してみて、ご自身に合う薬を継続していただくとよいと思います。
(2025/3 加筆修正)

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