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新型コロナウイルスワクチン3回目接種について

[2021.10.29]

10月28日、厚生労働省の分科会は、新型コロナウイルスワクチンを2回目接種完了した人の3回目接種について、希望する国民全員とする方針で一致したとの報道がありました。
時期は2回目から8カ月後が目安で、早ければ12月に医療従事者から順次開始するとのことなので、高齢の方を含め一般の方は来年1月以降となりそうです。
最近、よくご質問を受けますが、まだ詳細は決まっていないと思われますので、もうしばらくお待ち下さい。

なお、3回目接種をした方がよいのか、ということについては、色々な側面から意見があると思います。
感染予防・重症化予防などの効果、副反応、世界(途上国など)での接種状況など、立場によっても異なるでしょう。

効果の面からは、よく「ブースター」接種と言われていますが、ブースター効果ということが一つの観点になると思われます。
ブースター効果(追加免疫効果)とは、自然に感染した時でも、予防接種を受けた時でも、その後の再感染や予防接種を再び受けた際に、血中抗体がより速く高く上がる性質のことです。
私たちの体は、外からウイルスや細菌などの抗原が侵入すると、それを排除するために抗体をつくり出します。
免疫機能を担う「免疫細胞」は、一度侵入した抗原を記憶しているため(免疫学的記憶)、記憶にある抗原が再度侵入したときは、より強力な抗体をつくり出し排除しようとします。
ワクチン接種により、抗体が産生されても、ある程度時間が経つと減少していくため、今回、追加で接種することで、その記憶を呼び覚まして、再度免疫力を高めようということです。

最近、抗体量の調査が各地で行われており、ワクチン接種の数か月後に抗体価がかなり減少しているとの報告もありますが、中和抗体の値が低下して予防効果が低下しても、重症化を防ぐ効果は引き続きあると考えられています。
それなら、個人で考えると2回接種でもよいように思われますが、集団での感染予防という面からは、感染しないということが必要となります。

個人での免疫力を強化する側面もありますが、感染者数を十分に少ない状況で維持するには、できれば3回目接種はした方がよいように思います。
3回目の接種で副反応が出るという可能性もあり、今後の海外の状況などには注意が必要ですが、今の時点では、2回接種して大きな副反応がなかった方は、接種を考慮してもよいのではと考えております。

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