新型コロナウイルスワクチンについて⑨
今日は休診日でしたが、医師会の集団接種に従事してきました。
昼の時間だけなので、数は多くはありませんが、少しでもワクチン接種が進んで、感染する人が少なくなればよいと思いつつ、働いています。
現在、予約ができている方については順調に接種が進んでいると思います。
ただ、50歳以下の方については、現在、予約が非常に難しい状況になっています。
なぜか、区役所の集団接種は9月上旬で終了、当院近くの浦和競馬場駐車場での集団接種もお盆前に終了してしまいました。
当初、大型のトラックが何台も来て、プレハブの建物を設置し、やれやれ、これで多くの方が接種できるようになるとほっとしておりましたが、わずか1か月余りで撤去されており、その光景を見て、言葉を失いました。
会場を設営する費用や、動員した職員の費用もかなり必要だったと思います。また、それは多くは私たちの税金でまかなわれていることでしょう。
終了となった理由はよく分かりませんが、一つ推測されることとしては、予想より接種する人が少なかったということでしょうか。
交通の便が悪い場所なので、専用のバスを何台も出していましたが、バスはがらがら、競馬場の駐車場はかなりのスペースが空いているのに、一般の人は駐車禁止でした。
実際にはよく分かりませんが、行ってから1時間など時間もかかると話していた人もいました。
そうした状況では、接種希望者が少なくなるのも、当然のことだと思います。
区役所が早期に終了となるのは、ある理由から区役所の接種場所が使えなくなるとの話を小耳にはさみました。それが本当だとすると本当に驚きです。
現在、国を挙げてワクチン接種を進めようとしており、私も以前から何度も書いてきましたように、感染の終息にはワクチン接種が何より大事だと思っております。
テレビコマーシャルでアスリートがワクチン接種を呼びかけ、医療機関には休日も接種すれば、報酬を増額するなどとの通知を出して、進めようとしています。
自治体のホームページでは、ワクチン供給予定がいつまでに数万回と記載されています。
しかし、現実には、ワクチン接種の予約ができません。なぜでしょうか?
個々の医療機関は、通常診療の合間に、何とかワクチン接種を行うべく頑張っています。
ただ、今後ますます増やしてほしいと言われても、やはり限界があります。
現在、開業医を取り巻く状況は厳しくなっており、何とか廃業とならないよう、様々なことに頭を悩ませながら経営しています。限られた費用の中で、職員をどんどん増やしていくわけにもいきません。
10月以降はインフルエンザの予防接種も始まります。ワクチン接種に使える時間は限られています。
また、ワクチン接種を希望する方で、普通に仕事をしている60歳以下の世代では、土日でないと接種できないという方も多いです。
若い方は副反応も多いので、翌日が休みとなる土曜に接種したいという人も多いことでしょう。
しかし、個人医院では、高齢の医師も多く、日曜など休日にも休みなく働ける人は少ないので、どうしても土日の接種ができるところは少なくなります。
そうした状況では、集団接種を行うことが、唯一の解決策になると思います。
現時点では分かりませんが、少なくとも以前の集団接種の医療従事者募集については、従事可能とした日の一部しか当番にならないという状況であり、集団接種に協力したいという医師や看護師、事務員は多いと思われます。
今後、何とか集団接種を増やしてほしいと、心から願っています。