にんにく注射とは/ビタミンBについて
勤務医の時は知らなかったのですが、個人のクリニックなどでは、にんにく注射というビタミン剤の注射を行っていることがあり、にんにく?と思ったことがあります。
にんにく注射というと、にんにくエキスなどを注射するように思いますが、そうではなく、初期のビタミンB1製剤ににんにくの成分が含まれ、臭いもしたため、そう呼ばれているようです。
にんにく、というと元気が出るような、効くような感じがするかもしれません。
ただ、にんにくではなく、ビタミンBの薬でも疲労、倦怠感、肩こり、筋肉痛、手足のしびれ、口内炎などにある程度の効果があります。
ビタミンB群はあらゆる種類の酵素の補酵素として働いています。
代謝ビタミンとよばれ、私たちが生きるための源であるエネルギーをつくるのに必須です。エネルギー代謝はTCA回路(エネルギーをつくり出す過程にある回路)に入ることでスムーズに行われますが、このとき、ビタミンB群が必要となります。
ビタミンB群には、ビタミンB1、B2、B6、B12など8種類あり、それぞれ異なった働きがあります。
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変え、アルコールの代謝や脳の働きに関与します。
ビタミンB6は、アミノ酸の再合成を手助けする補酵素として働き、体タンパク質の合成や造血に関与します。神経の機能維持や皮膚の機能維持にも関わり、抗アレルギー作用があるとも言われます。
ビタミンB12は神経細胞内のタンパク質や脂肪、核酸の合成を促進し、神経の機能を正常に保ちます。また、赤血球の合成造血作用に関与します。末梢神経障害などで、薬としてもよく処方されます。
ビタミンB群は動植物性食品に広く存在しており、食事から摂取するのが望ましいのですが、忙しくて食事のバランスが偏り、不足することもあると思います。
注射や点滴をご希望の方もおられると思いますが、効果は一時的となりますので、ビタミンBは食事や市販のサプリなどで摂取することをお勧めいたします。