新型コロナウイルスワクチンについて②
さいたま市では、今日から80歳以上の方の予約が始まりました。
先週の後半になっても、80歳代の方の接種券が届かないとのご連絡が多数あり、心配しておりましたが、週末にやっと届いたのでしょう。そのことについては、少しほっとしました。
しかし、今朝から、診療時間中に電話が何度もあり、ごく少数の事務員・看護師で電話の応対をしつつ、来院された方の対応をしなければならないため、てんやわんやの状況でした。その直後に、求人サイトでの職員募集を開始しました(興味をもたれた方はIndeedでご検索下さい)。
その中で、あるご高齢の方の電話には、うーん、としばらく考えさせられました。
当院のかかりつけではない方ですが、85歳以上で、インターネットを使えないという方が、先週から何度となく電話しているが、繋がらず、ほとほと困っているとのことでした。家族は遠方におり、援助も得られないとのことでした。
数十年前からかかりつけの医院では、ワクチン接種の予定がないとの返答だったとのことです。
前回も書きましたが、さいたま市では、原則、インターネットかコールセンターで予約をとること、となっています。
しかし、そのような方はどうすればよいのでしょうか?
集団接種をどのように行うかという連絡も未だにないため、現場はどのようにそのような方にお答えしてよいか、困っています。
前のブログにも書きましたが、医院の場所や職員数の制約から、かかりつけの方でも全員接種できるか分からないという状況です。
やむなく、連絡先をお聞きし、キャンセルがあればご連絡します、とお返事しました。
本日、東京や大阪での集団接種の申込も開始されたとのことですが、大阪では、1週間分が25分で受付終了したとのことです。
わずかな枠に何万人、何十万人の人が殺到したら、インターネットの回線が繫がらなくなることは、事前に容易に想像できることです。
行政の人たちが忙しいのは分かりますが、何か工夫できることはないのでしょうか?想像力の欠如?あきらめているのでしょうか。
医療現場は、普段の診療に加え、ワクチンの接種、十分な感染予防をした上でのコロナウイルスの検査など、かなり負担が大きくなっています。
それに対して、行政からは〇〇システムを導入したので、それに従って下さい、と現場に要請があります。
大量の説明資料が、インターネットを経由し、メールに添付して送られてきます。
この国の政治家、役人の一部の方々は、現場を管理することに頭が凝り固まり、優先することは何か、ということをはき違えているように感じます。
外国のように、ドラッグストアで薬剤師さんに注射してもらってはいけないのでしょうか?
それが、今の我が国の現状です。非常に残念な状況ですが、日本とはそのような国だと思って、ゆっくり順番を待っていただけますよう、何卒お願い申し上げます。
5/18追記
やや表現が強くなってしまった面があり、誤解があるといけないので補足しますが、行政の大半の方々は、忙しい中、一生懸命に仕事をされていると思います。
当院でワクチン接種が可能となったのも、さいたま市が、個別の医療機関へのワクチンの配送を調整してくれることになったためであり、感謝しております。
さいたま市では、年齢を区分して接種券を配送するなど、色々な工夫はされており、比較的柔軟に対応していると思います。
上記の内容は、政策や方針を決定する一部の方々に、もう少し工夫をしてほしいという意味で書いておりますので、ご理解いただけたら幸いです。