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WBC優勝おめでとう!ご高齢の方などは興奮しすぎにはご注意下さい

[2023.03.22]

最近、日本中がWBCに夢中になっていたことと思います。
昨日の準決勝、今日の決勝戦は本当にすごかったですね。
私たち以上の世代(50代以上)は、子どもの頃から多かれ少なかれ野球を見ていたと思いますが、これほど興奮して感動したことはなかったかもしれません。

本当にこのようなことが現実にあるのかと思わせられる、ドラマチックな試合でした。
最後には、多くの人が、すごい・・・と言ったことでしょう。
「事実は小説より奇なり」という言葉もありますが、実際にそのようなことが時々あります。
今回は、素晴らしいことだったので、何より良かったと思います。
生きていくにはつらいことも多いですが、そのような嬉しいこともあるので、希望を捨てずに生きていきたいと思いました。

蛇足かもしれませんが、医院のブログなので、少し心配になったことや、健康に関することを書かせていただきます。
少し心配なこととは、ご高齢の方や持病のある方が興奮しすぎて血圧が上がって倒れるとか、過呼吸を起こす人が出るのではないかということです。

欧米の研究で、喜ぶ、泣く、怒るなどの感情と血圧との関連を見た結果、怒ったときに血圧がいちばん上昇しやすいことがわかっているようです。
また、野球観戦の時などに、興奮して血圧が上がる人が多かったという調査もあります。
突然死は心筋梗塞や不整脈から起こることが多いのですが、怒りなど興奮することで、そのような重篤な病気につながることがあります。

今回は、良い結果だったのですが、自分の贔屓のチームが思った試合展開にならないと、イライラしたり、怒ったりすることもあると思います。
特にご高齢の方などは、スポーツ観戦時はなるべく冷静になり、喜ぶ時も興奮しすぎることのないよう気をつけていただけたらと思います。

また、ストレスは脳を小さくし、そして記憶や発話、感情の制御といった機能に問題を生じさせるといいます。
脳内には、このストレス反応を緩和し、興奮やパニック発作を防ぐ機能を持つ部位があり、その1つが「海馬」です。海馬は記憶中枢として知られており、アルツハイマー型認知症では萎縮することが多いですが、感情を暴走させないブレーキとしても働いています。

ストレスそのものは生存にある程度必要ですが、海馬の細胞はストレスが加わると分泌されるコルチゾールに長時間さらされると死んでしまい、海馬が萎縮してしまうと言われます。
ストレスや不安で小さくなるのは海馬だけでなく、抽象的思考や分析的思考を行う「前頭葉」も萎縮します。

では、ストレス反応を抑えるにはどうすればいいのでしょうか。
簡単にできることとしては、ランニングやサイクリングなどの運動をすることです。
運動を続けて体に負荷がかかる運動は一種のストレスとなり、コルチゾールの分泌量が増えますが、運動が終わればコルチゾールの分泌量は減り、さらに運動前のレベルにまで下がっていきます。

実際に、自分も運動をする前やきつい運動の間は、嫌だなと思ったり気分が下がったりすることがありますが、終わった後はすがすがしい気分になることがあります。
今回のWBCを見て、身体を動かしたくなった方もいると思いますが、ぜひ無理のない範囲で運動を始めてみてはいかがでしょうか。

今日の試合観戦後、普段とは異なる疲労感を感じ、なぜだろうとも思いましたが、昨日今日のWBCとの関係は否定できないのではと思いました。
感情が大きく動くような際には、身体に様々な負担がかかるようですが、嬉しく感じることは、生きていく上で必要なことだと思います。
今夜は早めに休んで、明日からまた頑張ろうと思います。

今回は観戦しただけですが、人生、色々なことがあり、面白いと思います。
自分は野球選手にはなれませんが、自分のできることを頑張って精いっぱいやっていきたいと思いました。

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