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片頭痛の新しい治療(CGRP関連薬剤)について

[2021.12.04]

先日、頭痛学会総会に参加してきたことを、このブログに書きましたが、詳しい内容については記載しておりませんでした。
タイトルを見て、何か新しい情報があるのではないかと期待された方には、大変申し訳ございませんでした。

遅くなりましたが、私の理解した範囲で、その内容を少しご紹介させていただきます。
以前にも、片頭痛の新しい治療ということで、CGRPという物質に関する治療について書かせていただきました。

また、お詫びになりますが、私の理解が不十分であり、当院での使用経験もない状態で書いたため、費用面などにより使用しづらいという印象を強く与えてしまったかもしれません。

マスコミ報道や、多くの健康についての本などでも言えることですが、情報というのは、伝え方により全く違った印象を与えます。
否定的な面や副作用を目立つように書けば、どんな治療でもしなくてもよいように思われますし、良い面だけを強調すれば、夢のような治療があるというように思われます。
できるだけ客観的に情報をお伝えしようと思っておりますが、私の個人的な性格の面からも、まだ十分に普及していない新しい治療については、どうしても慎重となり、やや消極的な意見となってしまいます。

ただ、このたび、学会で色々な話を聞き、新しい治療も積極的に試してよいかもしれないと思いました。

片頭痛の発症に関わるCGRPという物質に関する治療薬で、現在我が国で使用可能なものは、フレマネズマブ(アジョビ)、ガルカネズマブ(エムガルディ)、エレヌマブ(アイモビーグ)の3剤です。

効果が出るまでの時間は早く、早いものでは投与後1日目から、長くても1週間以内には効果が認められます。CGRP関連薬剤の種類により多少の違いはありますが、1か月あたりの片頭痛日数は、月に3-6日程度減少し、月4日とすると、年に48日、つまり1年間では、小学校の夏休みより長い期間、頭痛が減少することになり、かなりのインパクトがあるともいえます。

片頭痛に伴う、嘔気、光過敏、音過敏などの煩わしい多くの症状も軽減されます。

従来の予防薬を1-4剤使用して無効であった場合にも有効性があり、長期間投与(5年間)でも有効性は維持されるとのことです。

また、今までの片頭痛予防薬には、問題点も多く、効果が出るまで約2か月程度要する、副作用により十分増量できない、効果不十分例が多い、薬剤の使用過多があると効きにくいことが多いといった面がありましたが、新しい治療薬はそのような面でも良好な効果を認めています。
薬物乱用頭痛にも、50-60%の効果を認め、薬物乱用から離脱できたとのことです。

副作用は、少し便秘などがある程度で、大きなものはないようです。
ただ、注射薬のため、注射部位反応(疼痛、硬結、紅斑など)は約20%前後、発疹や蕁麻疹などの過敏症は約1%程度あり、海外ではアナフィラキシーなどの報告もあります。
以前、薬などでアレルギーがあった方は、注意が必要です。

全ての人に有効というわけではなく、50%治療反応率は約30-60%で、最初の1-2か月である程度効果があった場合は、継続すると改善することがありますが、全く反応がなかった場合は効果がないことが多く、治療を中止する場合もあります。

一方、国内の200例以上を対象とした研究では、74.4%がやや有効以上で、著明に改善したのは18.6%とのことであり、かなり効果があったとも考えられます。
効果が不十分であった場合は、他のCGRP関連薬剤に変更すると効果があった例も、ある程度認めておりました。

新たな片頭痛の治療薬を使用するには、以前にご紹介したような条件は必要となりますが、効果がある人には、世界が一変するような劇的な治療となるかもしれません。
ある程度の費用は必要ですが、最初1,2回で全く効果がなければ中止してよいとも思います。
月4日以上の片頭痛が3か月以上続いており、今までの薬で効果が不十分な方は、一度試してみてはいかがでしょうか。ぜひ、ご相談下さい。

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