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アルツハイマー型認知症の新薬「レカネマブ」とは?②

[2023.01.25]

認知症の新薬に期待されている方も多いでしょうが、国内で広く用いられるようになるには、まだ色々と課題があるようです。

一つは、お金の問題があります。
エーザイは米国での販売価格を1人あたり年2万6500ドル(約340万円)と発表しており、国内でも数百万円程度になるとの見方があります。
国内の早期のアルツハイマー型認知症の人は、相当の数になると思われます。
仮に数万人としても、年1000億円前後となり、医療保険財政に大きな負担になると考えられます。
癌やその他多くの命に係わる病気も多くある中で、ほぼ普通に生活できる軽度の認知症の方についてそれだけの負担が妥当なのか、と考える人もいると思います。

一方、その高額な薬が適応となるかどうか調べるためには、色々な検査が必要となるようです。
アルツハイマー病の診断には、脳の中に「アミロイドβ」がどのくらいたまっているかを画像にして映し出すことができるPET(ペット)と呼ばれる検査が行われることがあります。
しかし、PETの装置は大規模で高価なため、検査の費用が高額になり、また、設置されている医療機関も少なく、都市部に集中しています。
さらに、撮影のための専門の施設や技術者の確保も必要です。
脳脊髄液による検査(髄液検査)も必要かもしれませんが、腰に針を刺して検体を採取するため、患者さんの体への負担が大きく、簡単にできる検査ではありません。

副作用の有無も気になります。
「レカネマブ」のこれまでの治験で、脳が腫れたり、出血したりといった副作用のリスクが高まることが指摘されています。
その薬が直接の原因ではなかったとの見方もありますが、治験が終了したあとにも薬の投与を続けた患者のうち、2人が脳の出血で死亡したと報告されました。
今後、薬を投与するにあたり、どのような人がリスクが高いのかなど慎重に検証をしていく必要があります。

以上のように、様々な課題はありますが、それらの課題を乗り越えられれば、患者さんやそのご家族には、期待できる治療になると思います。
まだまだ時間はかかるかもしれませんが、新しい情報があれば、またご紹介させていただきたいと思います。

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