CT検査とは?②
今回は、CTとMRIとの違いについてご説明します。
CTが放射線を用いるのに対し、MRIは強い磁気と電波を用いて画像を作ります。CTとは画像の性質が異なり、骨や空気による影響がないので、脳のより小さな病変やその性質が分かることもあり、脊髄や四肢の関節の評価などにも適しています。腹部の肝・胆道系疾患や泌尿器、婦人科の病気の検査にも有用です。
放射線被ばくはありませんが、撮影時間が長く20-30分など必要であり、大きな音がするため、狭いところや暗いところが苦手な方や長時間安静にするのが困難な方は検査できません。検査時間が長いので、通常は予約した上での検査になり放射線技師も必要です。
前回も書きましたが、CTは横になってから数分で検査が終了しますので、当院では予約なしで来院され、あまり時間のない方でもすぐに検査できます。
今回、CT装置を導入する時に驚いたのですが、最近のCT装置は技術が進歩して性能がよく、昔のCTに比べると骨の影響などもかなり軽減されており、MRIほどでなくてもCTでも鮮明な画像が得られます。放射線被ばく線量も以前よりかなり減少しているようです。
頭部MRI画像(サンプル)
ただ、どうしても限界はあり、CTではよく分からず、MRI検査をすると分かるということもありますので、CTで速やかに検査を行い、異常が疑われる場合にMRI検査などを行うとよいと思います。MRI検査などが必要な方は、近くの検査が可能な病院にすぐにご紹介いたします。
私は、開業前は医師になってからずっと病院に勤務しており、救急対応もしておりました。救急外来では、多くの症状で通常はすぐに検査できるCT検査を行います。脳梗塞(脳の血管が詰まる)か脳出血かということも症状では区別できないため、MRIが準備できるまでまずCT検査をすることが多いです。状況と場所により、それぞれ使い分けするとよいと思います。
また、長くなってしまいました。できるだけ短く、分かりやすくとは思っていますが、文章が下手なので、なるべく分かりやすくしようと思うとどうしても長くなってしまいます。
直接、色々な話を聞いてみたいという場合は、分かる範囲でご説明しますので、ぜひ一度ご来院下さい。何か他の症状のついででも結構です。医師に話を聞く、と考えると、遠慮される方もいるでしょうが、お気軽にご相談下さい。